病気やけがの原因や対応によっては、保険給付が制限される可能性があります。
仕事中(業務上)や通勤途上の病気・ケガや、正常な出産などは、健康保険でかかることが出来ません。
1. | 仕事中(業務上)や通勤途上の病気・ケガは労災保険で診療を受ける。 |
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2. | 病気とみなされない次のような場合は自費で診療を受ける。 ・単なる疲労や倦怠 ・正常な妊娠出産 ・経済上の理由による妊娠中絶 ・美容整形 ・健康診断/予防注射 |
次のようなときには、健康保険制度の健全な運営を阻害することになりますから、給付が受けられなくなったり、一部を制限されることがあります。
1. | 故意の犯罪・事故 ・・・保険給付は行われません。 |
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2. | けんか、よっぱらい、麻薬中毒などでの事故 ・・・保険給付の全部または一部が制限されます。 |
3. | 正当な理由もないのに医師の指示に従わなかったとき ・・・保険給付が制限されます。 |
4. | 違法行為、その他不正に保険給付を受けたり、受けようとしたとき ・・・保険給付の全部または一部が制限されます。 |
5. | 健保組合が指示する質問や診断など拒んだとき ・・・保険給付の全部または一部が制限されます。 |
則的なものとは別に、保険給付を行うことが事実上不可能だったり、他の法令が優先するなどの理由により給付が制限されることがあります。
1 | 少年院に入院させられたとか、監獄に拘禁されたとき |
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2. | 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律など他の法令により、国または地方公共団体の負担で療養費の支給や療養が行われたとき。 |
病気やけがと見なされないものには健康保険は使えません
仕事中(業務上)や通勤途上の病気・けがは労災保険の対象となるため、健康保険ではなく労災保険で治療を受けます。病気とみなされない健康診断や予防注射、正常な出産などは、健康保険でかかることができないため、全額自費となります。
1. | 健康保険で治療を受けられる病気やケガは、仕事上あるいは通勤途上の原因以外によるものに限られています。仕事上あるいは通勤途上の病気やケガは労災保険を受けられることになっているからです。 |
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2. | 健康保険で受けられる病気やケガとは、医者が診療の必要を認める状態のものをいいます。ですから単なる疲労とか、美容整形、正常なお産、健康診断などは健康保険で見てもらえません。 |
健康保険でかかれない場合 | 健康保険でかかれる場合 |
仕事や日常生活にさしさわりのないソバカス、アザ、ニキビ、ホクロ、わきがなど | 治療を必要とする症状があるもの |
回復の見込みがない近視、遠視、乱視、斜視、色盲なども | 視力に変調があって保険医にみてらったときの診察、検査、眼鏡の処方箋 |
美容の為の整形手術 | ケガの処置のための整形手術 |
健康診断、生活習慣病検査、人間ドック | 診察の結果、治療が必要と認められた場合の治療 |
予防注射、予防内服 | 感染の危険がある場合の破傷風、はしか、百日咳の予防注射 |
身体の機能にさしさわりのない先天性疾患(小耳症、四肢奇形など) | 美容の為でなく、社会通念上治療必要があると認められるもの |
正常な妊娠・分娩 | 妊娠中毒症、異常分娩など、治療する必要があるもの |
経済的理由による人工妊娠中絶 | 母体保護法に基づく人工妊娠中絶 |
業務中・通勤途上のケガには労災保険で補償されるため、保険証は使えません
業務中または通勤途上においてのケガは、労働者災害補償保険(労災保険)で補償されるため保険証は使えません。会社へ申し出て、労災保険の手続きをしてください。
労災保険の場合、医療費の自己負担が健康保険(※医療費の3割自己負担)と異なり、業務災害は自己負担0円、通勤災害は初診料の一部のみで受診できます。
疾病・負傷に対する給付に加えて、傷病・障害などの補償給付・遺族補償年金、社会復帰を促進するためのリハビリテーションなどのサービス事業があります。
実際の認定については、個々のケースによって異なりますので、会社(事業主)を通じて管轄の労働基準監督署へお問い合わせください。
03-5796-5904/JTB内線4027
公費で受けられる医療は健康保険からの給付を重複して受けられません
仕事以外でおきた病気やケガの場合、健康保険証で治療が受けられますが、病気の種類や患者の条件によっては、医療費の全額や健康保険の自己負担分を国や地方公共団体が公費で負担するケースがあります。公費で治療が受けられる場合は重複して健康保険からの給付はありません。
●公費負担医療の例
①戦傷病者や原爆被爆者に対する医療費のように国家補償的意味を持つ場合
②結核や法定伝染病など社会的防疫的意味を持つ場合。
③身体障害者への医療のような社会福祉的意味を持つ場合。
④企業活動に基づく公害病。
⑤スモンなど難病(特定疾患)の治療、研究を目的とする場合。
法 律 | 助成内容 | |
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原爆援護法 | 認定疾病医療 | 原爆症 |
一般疾病医療 | 被爆者の傷病 | |
結核予防法 | 命令入所 | 伝染させるおそれが著しい患者 |
精神保健及び精神障害者福祉に関する法律 | 措置入院 | 自身または他人を傷つけるおそれのある患者 |
児童福祉法 | 育成医療 | 18歳未満の身体障害児 |
療育の給付 | 18歳未満の結核児童 | |
母子保健法 | 養育医療 | 入院を要する未熟児 |
生活保護法 | 医療扶助 | 生活困窮者の傷病 |
身体障害者福祉法 | 更正医療 | 障害者の社会復帰のために必要な医療 |
特定疾患治療研究事業実施要綱 | いわゆる難病のうち、原因不明、治療法未確立かつ後遺症を残す疾患(特定疾患一覧表参照) | |
小児慢性特定疾患治療研究事業実施要綱 | 小児(原則として18歳未満)慢性疾患のうち、治療が長期間にわたるもの(癌、喘息、膠原病など) | |
医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構法 | 医薬品が適正に使用されたにもかかわらず、有害な副作用により疾病となったもの | |
公害健康被害の補償等に関する法律 | 著しい大気汚染、水質汚濁の影響で、指定疾病にかかったもの |
スモン 難治症の肝炎のうち劇症肝炎 |
重症 急性膵炎 |
上記以外にも厚生労働省で指定された特定疾患や各都道府県で指定した特定疾患があります。詳細は保健所、各市区町村へお問い合わせください。
●医療費助成
①市区町村の助成(乳幼児医療助成、母子家庭医療助成等)を受けている場合。
②その他の公費(小児慢性疾患、障害者助成等)を受けている場合。
上記のような医療費助成を受けている方は、健保組合の付加給付の対象にはなりません。しかし、実際にどなたが医療費助成を受けているかという情報がないため、自己負担をしていない方へ付加金を支給してしまうことがあります。この場合、後日お返しいただくことになります。
現在、助成を受けている方、受けられるようになった方は、必ず健保組合へ早急にご連絡をお願いします。
03-5796-5904/JTB内線4027