医療費が高額になったとき

高額療養費

自己負担が限度額をこえると高額療養費が支給されます

  1. 1ヶ月に支払った自己負担限度額は、所得に応じて5区分が設けられ、区分によって下表の様にそれぞれ異なる自己負担額になります。1件の請求書(レセプト)に対してそれぞれの区分に応じた限度額をこえたとき、そのこえた金額が高額療養費として健康保険から支給されます。
  2. 同じ月に同一世帯で1件21,000円以上の負担が2件以上あり、それぞれの自己負担額を合計した計が下表の所得区分に応じた限度額をこえたとき、そのこえた金額が合算高額療養費として支給されます。
  3. 最近12ヶ月の間に同一世帯で、高額療養費の支給を受けた月が3ヶ月以上ある場合、4回目から下表【】を超えた金額が支給されます。

さらに、自己負担額が50,000円をこえる部分は当健保組合の付加給付対象となります。
(※ただし地方自治体等の医療費助成を受けている方やその資格がある方は対象外です。)

自己負担限度額の見直し

70歳以上の人の自己負担限度額は、負担の公平性の観点から段階的な見直しが行われました。

自己負担限度額

70歳未満

所得区分 1ヵ月の自己負担限度額 多数該当
標準報酬月額83万円以上 252,600円+(総医療費−842,000円)×1% 140,100円
標準報酬月額53~ 83万円未満 167,400円+(総医療費−558,000円)×1% 93,000円
標準報酬月額28~ 53万円未満 80,100円+(総医療費-267,000円)×1% 44,400円
標準報酬月額28万円未満 57,600円 44,400円
低所得者(住民税非課税) 35,400円 24,600円

 

70~74歳

所得区分 1ヵ月の自己負担限度額 多数該当
外来・個人ごと 入院・世帯単位
現役並み所得者Ⅲ
(標準報酬月額83万円以上)
252,600円+(総医療費−842,000円)×1% 140,100円
現役並み所得者Ⅱ
(標準報酬月額53~83万円未満)
167,400円+(総医療費−558,000円)×1% 93,000円
現役並み所得者Ⅰ
(標準報酬月額28~53万円未満)
80,100円+(総医療費−267,000円)×1% 44,400円
一般
(標準報酬月額28万円未満)
18,000円
[年間上限144,000円]
57,600円 44,400円
低所得Ⅱ
(住民税非課税)
8,000円 24,600円
低所得Ⅰ
(住民税非課税、年金収入80万円以下)
8,000円 15,000円

※70歳以上の方のうち、所得区分が現役並みⅠ、現役並みⅡの方は健康保険証、高齢受給者証、限度額適用認定証の3点を医療機関窓口に提示することで自己負担限度額までの支払いとなります。所得区分が一般、現役並みⅢの方は、健康保険証、高齢受給者証を医療機関窓口に提示することで自己負担限度額までの支払いとなります。

所得区分が一般、現役並みⅢの方は、限度額適用認定証は発行されません。

70歳以上の一般の外来年間上限

基準日(7月31日)時点の所得区分が一般・低所得の場合、計算期間(前年8月1日~7月31日)のうち、一般・低所得だった月の外来の自己負担額の合計が144,000円を超えた際は、その超えた額が払い戻されます。

自己負担がさらに軽減される場合

①支給回数が年4回以上(多数該当)

直近12ヵ月間で高額療養費の支給回数が3回を超えたときには、4ヵ月目から多数該当として別に自己負担限度額が決められています。

②21,000円以上の窓口負担が複数ある場合(合算高額療養費)

同じ月に同じ世帯で21,000円以上の窓口負担が複数ある場合は、世帯ごと合計して自己負担限度額を超えた際に払い戻しが受けられます。

③特定疾病に該当する場合

人工透析が必要な慢性腎不全の患者は毎月の自己負担額が10,000円となります。血友病、血液製剤の投与に起因するHIV感染症のうち、一定の人については自己負担が公費負担され、窓口負担は不要です。

※人工透析の、70歳未満で標準報酬月額53万円以上の人は毎月の自己負担額が20,000円となります。

手続き方法

手続きは不要です。医療機関からの請求書(レセプト)に基づき、健康保険組合で計算したうえで自動払いします。

健康保険限度額適用認定制度

医療費が高額になる場合の窓口負担が軽減されます

高額な医療費も一旦は、病院の窓口で本人負担の3割を支払います。
その後、健保組合から概ね3~4ヶ月後に3割負担額と上表の「高額療養費の自己負担限度額」との差額が高額療養費として給与明細書などに含めて返金されます。
健保組合が発行する「健康保険限度額適用認定証」と保険証を医療機関の窓口に提示することで、窓口負担が上表の「高額療養費の自己負担限度額」までで済むようになるため窓口で多額の現金を支払う必要がなくなります。
窓口で多額の現金を支払う必要がなくなります。この取扱いを受けるためには、健保組合に事前の申請を行い「健康保険限度額適用認定証」の交付を受ける必要があります。この手続きを行わない場合は、従来通り窓口で医療費の3割を支払い、後日健保組合より返金されます。

マイナ 保険証を使用した場合、限度額適用認定証が不要となります

マイナ保険証を利用すれば、事前の手続きなく、高額療養費制度における限度額を超える支払いが免除されます。また、オンライン資格確認を導入している医療機関等では、限度額適用認定証がなくても、現行の健康保険証またはマイナンバーカードのみで、窓口の支払いを自己負担限度額までとすることができる為、限度額適用認定証の事前申請は不要です。
なお、現行の健康保険証は令和6年12月2日に廃止となる為、新規の健康保険証は発行しません。12月2日以降、マイナンバーカードと健康保険証が一体の『マイナ保険証』へ移行される為、この機会にぜひマイナ保険証をご利用ください。

※ マイナ保険証とは、マイナンバーカードを保険証として利用することで、利用するには医療機関・マイナポータル(スマートフォンのアプリ)・セブン銀行ATM等での登録が必要です。
※ オンライン資格確認未導入の医療機関等では、引き続き限度額適用認定証の提出が必要となります。

 医療機関の受診はマイナ保険証で!

手続き方法

健康保険限度額適用認定申請書  を健保組合に提出します。
・ 医療機関窓口で「保険証」及び「健康保険限度額適用認定証」を提示します。
*窓口では、「限度額適用認定証」にある所得区分により高額療養費自己負担限度額までを支払います。 なお、食事代・差額ベッド代などは高額療養費対象外です。
原則として、有効期限は最長で申請月から、最初の8月末日までとなります。
また、9月1日以降も限度額適用認定証が必要な場合・被保険者の所得の変動により、所得区分が変わった場合は再度申請が必要となります。
詳細は健保組合にお問い合わせください。

【例】
手術で入院し、1ヶ月100万円かかった場合、通常は窓口で
3割負担の30万円を一旦支払うことになりますが、この制度で事前申請をした場合の窓口負担額は
(標準報酬月額28万~53万円未満の方): 80,100+(1,000,000-267,000)×1%=  87,430円
(標準報酬月額53万~83万円未満の方): 167,400+(1,000,000-558,000)×1%= 171,820円

高額医療費資金貸付制度

JTB健保では治療費の高い病気になり高額医療費の支給を受ける見込がある場合、窓口での自己負担の一部を貸付ける制度があります。なお、高額医療費の「限度額適用認定申請」をされたときは貸付制度は、利用できません。

貸付の条件

JTB健保の被保険者及び被扶養者で、高額医療費の支給を受ける見込があり医療機関から請求を受けたか、その費用を支払った人。

貸付額

高額療養費支給見込額の80%以内(千円単位)

貸付利子

無利子
手続き方法

・申し込み………「高額医療費資金貸付申込書」(「記入例」参照)に医療費の内訳のある請求書または領収書を添付して健保組合に提出。貸付決定通知がありましたら
「高額医療費資金借用書」を提出します。

・貸付期間……… 高額療養費が支給される日まで(支給額と相殺します)

【例】
1ヶ月の医療費が250万円で、自己負担支払額(3割)が75万円の場合の貸付額 (千円未満切り捨て)

(標準報酬月額28万~53万円未満の方): 750,000-{80,100+(2,500,000-267,000)×1%}=647,570円 ⇒高額療養費
647,570円×80%=518,056円 ⇒518,000円 貸付額
(標準報酬月額53万~83万円未満の方): 750,000-{167,400+(2,500,000-558,000)×1%}=563,180円⇒高額療養費
563,180円×80%=450,544円 ⇒450,000円 貸付額

特定疾病(長期療養になる病気、自己負担限度額の特例)

特定疾病として指定されている人工透析を必要とする慢性腎不全、血友病、HIV(厚生労働大臣が定めたものに限る)で療養を受けている長期高額療養患者は、所定の手続をすると、「特定疾病療養受領証」が交付され、 病院の窓口で提示することにより、自己負担額が1ヵ月10,000円となります。
(慢性腎不全の標準報酬月額53万円以上の方は、1ヵ月20,000円を自己負担します)

手続き方法
  1. 「特定疾病療養受療申請書」を健保組合に請求してください。
  2. 申請書に必要事項記入後、健保組合に提出してください。
  3. 「特定疾病療養受療証」を送付いたします。

高額医療・高額介護合算療養費制度

医療と介護の自己負担が著しく高額になる場合の負担を軽減するために、同一世帯で医療と介護の自己負担額を合算した(*1)1年間(*2)の自己負担限度額が設けられています。

医療と介護でそれぞれ月ごとに自己負担限度額を超えた分の払い戻しを受け、さらにその月々の自己負担額の年間合計額が下表の限度額を超えた差額が払い戻される仕組です。

高額療養費の対象になった世帯に介護保険の受給者がいる場合に、被保険者が申請すれば限度額を超えた分が健康保険からは「高額介護合算療養費」、介護保険からは「高額医療合算介護サービス費」として支給されます。

ただし、各医療保険ごとに自己負担が合算されますので同一世帯において異なる医療保険に加入している方とは合算されません。75歳以上の家族は後期高齢者医療への申請となります。

(*1)自己負担の合計とは、入院時の食事負担や居住費、差額ベット代、高額療養費、公費負担、付加給付、高額介護サービス費などを控除した後の額です。
(*2)年間とは8月1日~翌年7月31日

高額介護合算療養費の自己負担限度額(年額)
所得区分 70歳未満の人 70歳以上の人
標準報酬月額83万円以上 2,120,000円 2,120,000円
標準報酬月額53~ 83万円未満 1,410,000円 1,410,000円
標準報酬月額28~ 53万円未満 670,000円 670,000円
標準報酬月額28万円未満 600,000円 560,000円

低所得Ⅱ

340,000円 310,000円

低所得者Ⅰ

190,000円

(*3)低所得者Ⅱ とは、住民税非課税世帯で、年金収入80~160万円
(*4)低所得者Ⅰとは、住民税非課税世帯で、年金収入80万円以下

手続き方法
  • 申請は7月31日現在加入の健保組合に行います。
  • 年額が一定額を超えた場合、介護保険者である市区町村に「自己負担額証明書」を交付してもらい加入する健保組合に提出申請します。
  • 健保組合と介護保険者(市区町村)の双方から超過分が支給されます。