



健康保険では被保険者及びその被扶養者が、仕事以外のことで病気やケガをしたり、出産や死亡した場合、保険給付をうけられます。しかしすべての病気や治療に給付があるわけではなく、一定の制限があったり、保険がきかないこともあります。
健康保険の給付は以下のように法定給付と付加給付があります。
| 法律的な区分 | 支給形態による区分 | ||
| 法 定 給 付 | 範囲、内容、支給要件が健康保険法で定められている給付 | 現 物 給 付 | 病気やケガで保険証を持参して医者にかかったときにうける診療、薬、治療材料など医療という現物で支給されるもの | 
| 付 加 給 付 | 健保組合が自主的な給付として組合規約に定め、法定給付に上積みして支給するもの | 現 金 給 付 | 病気やケガで会社を長期にわたって休み給与の支給が無かったとき、出産したとき、死亡したときなどに現金で一定の費用として支給されるもの | 
| ※保険給付の時効と制限 保険給付の請求期限は2年です。また法に触れるような行為をしたり、医師の指導に従わなかったりした場合は、給付の全部または一部が制限されることがあります。 | 
<給付対象者>被保険者(本人)と被扶養者(被保険者証に記名のある家族)
在職中の給付一覧表
| 被保険者(本人) | 被扶養者(家族) | 健康保険から支給される医療費 | ||
|---|---|---|---|---|
| 法 | 病 気 や ケ ガ を し た と き | 本人療養費 | 家族療養費 | 保険証を使用した時、自己負担以外の医療費 | 
| 入院時食事療養費・入院時生活療養費 | 入院時食事療養費・入院時生活療養費 | 入院したときの食事代、居住費 | ||
| 保険外併用療養費 | 保険外併用療養費 | 高度で先進的な医療などを受けるとき | ||
| 訪問看護療養費 | 家族訪問看護療養費 | 訪問サービスを受けるとき | ||
| ○療養費 | ○第二家族療養費 | 療養費(病院等に保険証を提示できなかったとき・コルセット・ギブス等の治療用装具費・はり・きゅうマッサージ治療、海外療養費、小児弱視用眼鏡)・柔道整復師(接骨医・整骨院)のかかり方 | ||
| ○移送費 | ○家族移送費 | 病気やケガで歩けないとき | ||
| 高額療養費・ (合算高額療養費) | 家族高額療養費・ (合算家族高額療養費) | 多額の医療費がかかったとき 高額療養費 (○健康保険限度額適用認定制度) (○資金貸付制度) ○長期療養になる病気「特定疾病療養受療申請書」 | ||
| ○傷病手当金 | – | 病気やケガで仕事を休んだとき | ||
| 出 産 | ○出産育児一時金 | ○家族出産育児一時金 | 出産したとき | |
| ○出産手当金 | – | 産休で給料がもらえないとき | ||
| 死 亡 | ○本人埋葬料 | ○家族埋葬料 | 本人または扶養家族が死亡したとき | |
退職したあとの給付一覧表
被保険者であった期間が1年以上が条件です。(付加給付はありません)
| 被保険者(本人) | 被扶養者(家族) | 健康保険から支給される給付 | |
|---|---|---|---|
| 病 気 | ○傷病手当金 | – | 退職するとき傷病手当金を受けていたか、受ける条件を満たしていた人は支給が始まった日から1年6ヵ月以内で引き続き支給されます | 
| 出 産 | ○出産育児一時金 | – | 退職後6ヵ月以内に出産した場合支給されます | 
| ○出産手当金 | 退職するとき出産手当金を受けていたか、受ける条件を満たしていた人は支給期間満了まで引続き支給されます | ||
| 死 亡 | ○埋葬料 | – | 退職後3ヵ月以内に死亡したとき支給されます | 
| 付 加 給 付 | 病 気 | 一部負担還元金 (合算高額療養費付加金) | 家族療養付加金 | 窓口で支払った金額が1ヶ月50,000円※を超えた場合、その超えた額を支給します ※1件の請求書ごと(診療月、医療機関、入院通院別)に計算します | 
|---|---|---|---|---|
| 出 産 | ○出産育児一時金付加金 | – | 被保険者本人が出産したとき 、一律20,000円の給付が受けられます | 
